神道の流派からアステカの神、スコラ哲学の巨人、メソポタミア最古の叙事詩まで。宗教と神話のジャンルは、地域も時代もばらばらな知識が一気に問われるぶん、序盤のわずかな手がかりで答えを絞り込めた瞬間の快感が格別です。早押しの真価が問われる10問を集めました。
唯一神道とも呼ばれ、室町時代後期に体系化され江戸時代まで神職の権威を独占した神道の一流派は何?
吉田神道よしだしんとう
吉田兼倶(1435〜1511)が確立した神道の流派。儒仏道の影響を受けつつ神道を宗教の本源とする独自の理論を構築した。江戸時代には吉田家が神職への免許状発行権を独占し、1665年には幕府がこれを公認。明治期に国学・復古神道が台頭し衰退した。
岩盤から直接彫り込まれた11の岩窟教会群で知られる、エチオピアのユネスコ世界遺産の都市は何?
ラリベララリベラ
ザグウェ朝のラリベラ王(在位1181〜1221年頃)が建設したとされる。12〜13世紀に造られた11の教会が地下の通路で連結されており、エチオピア正教の重要な巡礼地。毎年クリスマスのティムカット祭には多数の巡礼者が集まる。1978年にユネスコ世界遺産に登録された。
アステカ神話などで崇拝された、その名が『羽毛ある蛇』を意味する文化と農耕の神は誰?
ケツァルコアトルケツァルコアトル
メソアメリカ文明で広く信仰された神で、その名は美しい羽を持つケツァル鳥と蛇を組み合わせた「羽毛ある蛇」を意味する。農耕・文化・知識をもたらす存在とされ、トルテカやマヤ(ククルカン)でも姿を変えて崇拝された。白い肌で再来するという伝承が、スペイン人コルテス来航時の混乱に関係したとも語られる。
13世紀に『神学大全』を著し、アリストテレス哲学とキリスト教神学を統合した「天使博士」と呼ばれる神学者は誰?
トマス・アクィナストマスアクィナス
トマス・アクィナス(1225〜1274)はイタリア出身のドミニコ会修道士・神学者。スコラ哲学の集大成者で、アリストテレスの論理学・形而上学をキリスト教神学に統合した。未完の大著『神学大全(Summa Theologiae)』は中世キリスト教思想の最高峰とされ、現代のカトリック神学にも影響を与え続けている。
ユダヤ教神秘主義「カバラー」で、神の10の属性が流出する様子を描いた神秘的な図式は何?
セフィロトの木セフィロトのき
セフィロト(Sefirot)はヘブライ語で「数え上げ」の意。10の属性(知恵・理解・知識・愛・峻厳・美・永遠・荘厳・基礎・王国)が木の枝のように連結した図が「生命の木(Tree of Life)」とも呼ばれる。西洋オカルト・ファンタジー・ゲーム(ファイナルファンタジーシリーズなど)にも多く取り入れられている。
密教の宇宙観を図示した、大日如来を中心とする二つの曼荼羅を合わせた総称は?
両界曼荼羅りょうかいまんだら
「胎蔵曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」の二つからなる。前者は大日如来の慈悲(母胎)を、後者は知恵(金剛)を象徴する。空海が唐から将来し、真言密教の核心的図像として東寺(京都)に伝わる。
インド六派哲学の一つで、八支則(アシュターンガ)を説いた聖典をまとめたパタンジャリが体系化した学派は何?
ヨーガ派ヨーガは
インド哲学の六派(サーンキヤ・ヨーガ・ニヤーヤ・ヴァイシェーシカ・ミーマーンサー・ヴェーダーンタ)の一つ。パタンジャリが紀元前後に著した『ヨーガ・スートラ』は196のスートラからなり、八支則(アシュターンガ)を体系化した。現代のヨーガ実践の哲学的根拠とされる。
フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』に登場する、歌と魔法の力を操る老賢者の英雄は誰?
ヴァイナモイネンヴァイナモイネン
フィンランド神話の中心的英雄で、歌うことで魔法を行使する賢者として描かれる。19世紀にエリアス・リョンロートが各地の口承詩を編纂した叙事詩『カレワラ』の主要人物。世界創造に関わったとも語られる。トールキンの『シルマリルの物語』など後世のファンタジー作品にも影響を与えた。
ヒンドゥー教の三大神の一柱で、世界の維持を司り、クリシュナなどの化身となって地上に現れるとされる神は誰?
ヴィシュヌヴィシュヌ
ヴィシュヌは創造のブラフマー・破壊のシヴァと並ぶヒンドゥー教の主要神。世界の秩序が乱れるたびに化身(アヴァターラ)となって現れるとされ、英雄ラーマや牧童クリシュナ、さらに仏教の開祖ブッダも化身の一つに数えられる。青い肌で描かれることが多い。
不死を求める旅を描いた世界最古級の叙事詩の主人公で、都市ウルクを治めた半神半人の王とされるのは誰?
ギルガメシュギルガメシュ
ギルガメシュは古代メソポタミアの叙事詩の主人公。粘土板に楔形文字で記された『ギルガメシュ叙事詩』には大洪水の物語が含まれ、旧約聖書のノアの方舟との類似が指摘される。親友エンキドゥの死をきっかけに不死を求めて旅立つが、最後まで得られなかった。