数学・物理・化学・生物・テクノロジーから、知る人ぞ知る最難関の10問を集めました。早押しクイズでは、問題文が1文字ずつ表示され、確信した瞬間にボタンを押します。さて、あなたは何文字目で答えが見えますか?
無矛盾な形式体系には証明も反証もできない命題が必ず存在することを示した、1931年にゲーデルが発表した定理は何?
不完全性定理ふかんぜんせいていり
クルト・ゲーデル(1906〜1978)が1931年に発表した2つの定理。第一不完全性定理は「十分に強い無矛盾な形式体系には、その体系内で証明も反証もできない命題が存在する」、第二は「そのような体系は自身の無矛盾性を証明できない」。ヒルベルトの掲げた「数学の完全な形式化」という夢を打ち砕いた、20世紀最大の論理学上の成果です。「ゲーデルが…」で押せれば上級者。
複素平面上で正則な関数の閉曲線積分が0になることを証明した、複素解析の基礎を確立したフランスの数学者は誰?
コーシーコーシー
オーギュスタン=ルイ・コーシー(1789〜1857)。コーシーの積分定理は複素解析の礎で、単連結な領域で正則な関数の閉曲線上の積分が0になることを述べます。ここから積分公式・ローラン展開・留数定理が導かれ、現代の工学・物理学に広く応用されています。
「局所的な隠れた変数理論」と量子力学が両立できないことを数学的に示した、アイルランドの物理学者が導出した不等式は何?
ベルの不等式ベルのふとうしき
EPRパラドックスに端を発するアインシュタインと量子力学の論争に、決着への道筋を示しました。1980年代のアスペ実験などで量子力学の予測が正しいことが確認され、2022年にはアスペ・クラウザー・ツァイリンガーがこの分野でノーベル物理学賞を受賞しています。
一般相対性理論が予測する光の曲がりを1919年の皆既日食で初めて観測した、英国の天文学者・物理学者は誰?
エディントンエディントン
アーサー・スタンレー・エディントン(1882〜1944)。西アフリカのプリンシペ島とブラジルに観測隊を派遣し、太陽の重力で恒星の光が曲がることを確認しました。この観測がアインシュタインの一般相対性理論を世界に証明し、アインシュタインを一躍世界的有名人に押し上げました。
原子軌道を特定する4つの量子数のうち、軌道の「空間的な向き」を表す量子数を何という?
磁気量子数じきりょうしすう
主量子数(n)・方位量子数(l)・磁気量子数(m)・スピン量子数(s)の4つで電子の状態を特定します。磁気量子数は −l〜+l の整数値を取り、同じ形(l)の軌道がいくつの向きで存在するかを示します。名称は、磁場をかけると軌道エネルギーが分裂するゼーマン効果に由来します。
タンパク質の異常折りたたみが原因で脳が海綿状に変性する致死的疾患の総称は?
プリオン病プリオンびょう
異常プリオンタンパクが脳に蓄積して起こる神経変性疾患群。ヒトではクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)が最多で、BSE(狂牛病)に汚染された牛肉摂取による変異型CJD(vCJD)も含まれます。有効な治療法は未確立です。
ゾウリムシを用いた培養実験で「競争排除の原理」を実証した、20世紀前半に活躍したソ連の生態学者は誰?
ガウゼガウゼ
ゲオルギー・ガウゼ(1910〜1986)は、1934年の著書『生存をめぐる闘争』で、同一のニッチ(生態的地位)を占める2種は共存できないことを実験的に示しました。この「ガウゼの法則(競争排除の原理)」は生態学の基本法則の一つです。
岩礁潮間帯のヒトデを除去する実験を通じて「キーストーン種」という概念を提唱したアメリカの生態学者は誰?
ロバート・ペインロバートペイン
ロバート・ペイン(1933〜2016)は、ワシントン州の海岸でヒトデを除去すると生物多様性が激減することを発見。ある種が生態系の安定に不均衡なほど大きい影響を与える「キーストーン種」の概念を1969年に提唱しました。
一貫性・可用性・分断耐性の3つを分散システムで同時に満たせないことを示した、ブリューワーが提唱した定理は何?
CAP定理CAPていり
CAPは Consistency(一貫性)・Availability(可用性)・Partition tolerance(分断耐性)の頭文字。2000年にエリック・ブリューワーが提唱し、2002年にギルバートとリンチが証明しました。分散データベースの設計で、CP型(HBase)・AP型(Cassandra)などの分類の根拠になっています。
ニューラルネットワークで出力誤差を入力方向に逆向きに伝播させ各層の重みを更新することで学習を行う手法の一般名称は何?
バックプロパゲーションバックプロパゲーション
Backpropagation。連鎖律(チェーンルール)を用いて損失関数の勾配を出力層から入力層へ逆向きに伝播させ、各層の重みを更新します。1986年にラメルハート・ヒントン・ウィリアムズが多層ネットワークへの適用を発表し、現代の深層学習の基礎を築きました。